特別賞

仲地さん

那覇学習センター(2年生)

  「ただいま。」
私は外出から帰ってきた時、必ずそう言います。家で小さな家族が帰りを待っているからです。私だけでなく母も帰宅するとその「家族」の元へ向かいます。 「ただいまルナ。お留守番ありがとう。」 ルナは私が小学生の頃から飼っている垂れ耳がチャームポイントである茶色の犬です。 

 愛犬ルナが私たちの家へ来たことによって、私たち家族の生活は大きく変わりました。その中でも特に大きく変化した点を三つ述べようと思います。まず一つ目は、家族との会話が大きく増えたという点です。子供の年齢が上がっていくと家族との会話が減少する、というケースをよく耳にします。実際に私たちの家族もそうでした。しかしルナが家に来てからは、世話を家族で分担して行ったり、その中で
「ルナにごはんをあげてくれてありがとう。」
「私はハウスの掃除をするから散歩お願い。」
などといった会話が生まれたり、それが家事を分担する、という習慣にも繋がりました。 ルナは私たちが名前を呼んだりなでたりすると、かすかに笑顔になって尻尾を振ります。そんな姿のおかげで私たちも笑顔になれるのです。一日の話題がルナの話で始まり、ルナの話で終わる、という日も増えました。二つ目は、外に出る機会が増えたという点です。現代の社会ではゲーム機やスマートフォンなど外に出なくても楽しめる便利な機器が普及している一方で、ルナを家族に迎える以前の私はこのような機器に頼りがちで外に出る機会が大変少ない状況でした。しかしルナが来てからはルナを公園や海へ連れて遊びに行くことがとても増えました。ルナ自身も車に乗って外へ行くことがとても好きな様で、最初は怖がっていたけれど今では自ら車に乗ってしまいます。三つ目は、地域の方々や共通点を持つ方々との関わりが増えたという点です。ルナは誰に対しても人見知りをせず、愛想良く振る舞います。なので、ルナの散歩へ行くと犬好きの地域の方々と話す機会があります。
「人懐っこいね。かわいいね。」
「何の犬種なの。私も犬を飼っているよ。」
などといった会話をすることができ、地域の方々に挨拶をしたり、気軽に話すことができる関係を作れます。また、SNSでルナの可愛い仕草の写真や動画を発信して、同じ犬種の犬を飼っている人や犬好きな県内の人にルナの可愛さを伝えることもできるようになったという点も大きな進歩なのではないかと思います。

 ルナは私たち家族が団らんの時間を楽しく過ごしている時は一緒にはしゃぎ回って楽しみ、喧嘩をして沈んだ空気が流れている時は近くに来て私たちをなぐさめてくれます。どんな時も私たちをいやしてくれるルナは私たち家族にとって何にも変えられない大切な宝物です。そんなルナに対して私達がしてあげられる、最大の恩返しとは何でしょうか。私は、最期の時までずっと変わらずに大切に愛してあげることが最大の恩返しだと思っています。犬は飼い主を選ぶことが出来ないため、飼い主に選ばれた瞬間に犬の全ての生き方が決まります。ルナの生き方を左右するのは私たち家族なのです。ルナは常に私たちに寄り添ってくれて大きないやしと喜びを与えてくれます。ルナへの感謝は言葉と行動の両方で伝えるべきだと私は感じています。私は毎晩ルナをぎゅっと抱きしめて
「今日もありがとう。」
と言います。ルナにもその気持ちは伝わっているだろうと確信しています。ルナは現在五歳、この先も元気で一緒に居られるように私はルナに毎日「ありがとう」の気持ちを言葉と行動の両方で示そうと思います。私はルナが生き続けている間この先ずっと 「毎日喜びをありがとう。私を成長させてくれてありがとう。これからもよろしくね。」 と言い続け、ルナと共に人生を歩んでいきたいです。