特別賞
小松さん
高知学習センター(2年生)
もしも一つ願いが叶うなら、私は、中学入学前に戻って、中学校生活をやり直したい。やり直せたのなら、今度は頑張って学校に通い、不登校にならず、世間一般の中学校生活を送ってみたい。中学校生活でやりたい事は授業を受けたい。テストを受けたい。部活動に参加したい。体育祭や文化祭に参加したい。新しい友達をつくりたい。やりたい事が山程ある。そして、三年生になったら、受験勉強を頑張り、高校に合格していたら、もっと自信を持って将来の仕事を、少しは具体的に考えられていたかもしれない。ふり返ると、後悔が残った中学時代だったと思う。
もしも、もしもと、もしもの世界を想像してはみたけれど、今の生活をやり直せるとしたらと、改めて人生を振り返って考えてみる。改めて今を見つめると、まあまあ充実していると思う。中学時代と比べると、ストレスも無く、学校に通えるようになった。新しい友達もできた。また、中学時代の今があったからこそ、その時に出会った友達とも、今でも交流が続いている。今は、自分の意志で早起きし、授業に参加できるようになった。勉強をする時間ができた。自分のペースで学校生活を送る事ができている。生活の中に程良く刺激があり、達成感を感じるようになった。
また、月日が経つのが早く感じ、一ヶ月、二ヶ月があっという間に過ぎているように思う。今の生活は、とても楽しく、充実していると思う。それでも時々、中学時代を振り返ってしまうけど、今は今で悪くない。昔の事があったからこそ、今は充実した毎日を送れていると思う事ができる。
もしも願いが叶うならと、想像してみたけれど、今の私は頑張れている。今が楽しいと再認識できた。でも、ふいに、もしも中学時代に〇〇していたらと、考えてしまう事はあるけれど、あの頃の経験や悩み、考えた時間があったから、今の私があるのだと、前向きに捉える事ができるようになった。私は、今の自分が好きになっている。
そこでもう一度、今の自分に問いかけてみた。私の本当のもしもの叶えたい願いは何だろうと。すると、一つの願いが思いうかんだ。それは、昔の自分へ、中学時代の自分へ、ある言葉を伝えたいという願いだった。
中学時代は、突然の不登校に自分の気持ちも追いつかず、どうしたら良いかもわからず、不安でたまらなかった。学校へ通えなくなり勉強の機会も減り、意欲もわかず、自分に自信が持てなくなり、これからの事が想像できず、先の見えない不安な毎日を送っていたように思う。そこから、少しずつ現状を受け入れ、周囲の人達の支えもあり、長く感じた中学校生活を、何とか乗り越える事ができ、今の生活を楽しいと思える自分がいる。
だから、絶対に伝えたい。あの頃の自分にもしも一つ願いが叶うなら、中学時代の自分へ、「大丈夫だよ。今はとても辛く、しんどい思いをしているけど、高校生活は楽しくて自分をほめたくなる位頑張れているよ。だから大丈夫だよ。」と伝えたい。